中村修人 / Nakamura Syuto

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ディストピアSF映画『ブレードランナー2049(Blade Runner 2049)』観てきた感想



観てきましたよ。
かのカルトな名作『BLADE RUNNER』の続編。
観てきたんですけど…
物凄く、語るのが難しいです。
何をどう書いていいのやら。
ただひとつ、確実に言えることは…。

映像が凄過ぎる!


これに尽きます。
恐ろしいまでに整理整頓され、
ストイック且つスタイリッシュな
一部の隙もない画がずっと続きます。
2時間半以上も延々と。
いやね、キツイよ、これは。
俺、普段は一日に何本も観れちゃうんですけど、
これに限っては無理の無理無理。
帰って即気絶就寝。
めちゃんこ疲れました。
画の力に引き込まれ過ぎて、
「全て観てやろう!じゃないと勿体無い!」
という貧乏根性に火がついてしまったんですな。
いやはや強烈。
なんてったってさ…。

スタッフ陣が豪華過ぎる!


Denis Villeneuve監督で、
制作がRidley Scott、
更に撮影がRoger Deakinsとくれば、
その圧倒的な“冷たい映像美”で、
「前作が傑作過ぎるので続編は絶対に糞!」
という派閥の人達の多くを黙らせることに
成功するだろうことは想像に容易く、
実際、そういう作品になっていると思います。
Hampton Fancherも前作に引き続き脚本に収まり、
文句は言わせない布陣。
特に、デニス監督とロジャー撮影監督は、
プリズナーズ(Prisoners)」と「ボーダーライン(Sicario)」
という恐怖の傑作を世に送り出した職人コンビ。
最早、安心感しかない。


あと少し気になったことが。
こちらも前記二作品で音楽を担当していたJóhann Jóhannsson氏。
制作の途中で離脱し、
クレジットもされていないのですが、
「これ、どう聴いても御大の仕事だよな。」
というスコアが時々ありました。
実際に記載されているのは
Benjamin Wallfisch氏と、
いい加減引退して後進に道を譲るべきHans Zimmerの二名。
契約で何かあったんだろうな。
何であれ、音楽は前作を踏襲しつつ且つ、
現代的なエッセンスも取り入れ、
饒舌になり過ぎない緻密なお仕事でした。
そんで、肝心の内容ですが、

観客が思考して埋めなければならないポイント、多し!


そんな印象です。
前作同様しっかりハードボイルド作なので、
エンタメ成分は薄く、キャストの口数も少なめで、
行間を読んだり、少ないヒントから察っさないといけない箇所は多く、
もしかしたら、なかなかに“難しい”作品なのかも知れません。
今作だけでも楽しめますが、
前作を観ていた方が理解は深まるし、早まるかと。

要約すれば、
「ある警察官が、世の中をひっくり返しかねない程の秘密を偶然知り、
上司から関係者を抹殺するように言われて動くも、
その秘密を手に入れたい巨大企業に狙われてしまう。
それでも何とか捜査を進めていくと、殺害対象はまさかの…。」ってよくある感じ。
しかし、前に述べたように映像が強烈なので、
映画としての説得力が隅々まで染み渡っており、マンネリは感じません。
まあ、題材が題材なので、どうしてもAKIRA攻殻機動隊を想起しますけどね。

果たして面白かったのか?


分かりません!すみません!
個人的に好きかどうかすら、
観終わって数日経っているのにも関わらず、
未だに判断がつきません…。

私、前作にドップリな層じゃありませんし、
単純にデニス監督とロジャー撮影監督のファンとして鑑賞させて頂きまして、
その面では100%満足です。
映画、というより映像作品という趣で、
“勉強や思案にはなるけど娯楽にはならない”
そんなまとめで締め括りたいと思います。

ご読了、誠にありがとうございました。